なぜ初診に時間をかけるのか?


当院では初診に2時間近くかけます。

これはクラシカルなホメオパシーではよく見られる設定ですが、

「初診にそんなに必要ないんじゃないか? 」

「時間は半分でいいから料金が半額にならないかな?」

と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

 

 1つ言えることは、十分な時間をかけることで、診断の正確性が高くなるということです。いろんな領域の情報が得られるので、あらゆる方向から適切なレメディについて検討することができます。そしてどこから見てもこのレメディだと思える場合は、レメディがその人の根幹に深く作用することを期待できます。

 

 短い時間で正しいレメディを選べれば理想的なのは言うまでもありません。例えば30分や1時間でも診察ができない事はありませんし、実際に短い時間で素晴らしい結果を残している名医も世界には数多くいらっしゃいます。ただ、もし得られた情報の中に、その人にとって重要な要素が欠けている場合は、間違ったレメディや、浅いところで作用するレメディを選択してしまう可能性があります。

 たとえ診察にどんなに時間をかけても、結果的に処方されたレメディが同じであれば、レメディの効果が変わるわけではありません。違うのは信頼度確実性です。選ばれたレメディが異なれば、当然治療効果は全く別のものになります。正しいレメディを選ぶことはホメオパスの大きな使命です。

 

 そもそも今まで生きてきたあなたの人生のエッセンスを、1回の診察だけでしっかり理解してもらえると思いますか? 私がとても尊敬する、ある世界的に有名なホメオパスは、その人の根幹に深く作用するレメディを見つけるためには数回の診察が必要なことが多いし、数年かかることもあると言っています。初診だけではその人の根幹に作用するレメディがはっきりせず、数回の再診の後に判明することも実際によくあります。

 

 ホメオパシーの診療を希望される方の中には、西洋医学などのこれまでの治療に希望を見いだせずに、最後の望みをホメオパシーに託して来院される方もいらっしゃいます。そのような方に対して、ある程度見当がついた段階で、「これじゃないかな?」というレベルの処方は極力したくありません。できる限り正確に処方して、確実で信頼される医療を提供したいという思いがあります。

 

 私がめざすのは、「おそらくこのレメディでしょう。」ではなくて、

「どこから見てもこのレメディでしょう!」

です。

 

 比較的負担の少ない費用で多くの人にホメオパシーの素晴らしさを体験して頂きたいという思いがある一方で、より確かで信頼できる医療を提供したいという思いも強くあり、現状ではこの設定とさせて頂いています。ご理解のほど、よろしくお願いいたします。